カンボジア北西部のバッタンバン州は1990年代後半まで戦闘の続いた地域であり、カンボジアのなかでも発展の遅れている地域です。
内戦当時サムロン・チェイ村はクメール・ルージュ軍に支配されていた戦闘地で、森が生い茂り、人々は住んでいない地域でした。
しかし、1998年にクメール・ルージュが政府に投降し、統合された後、その土地の近くの村や地域からやってきた人々が水田を持つようになり、コンポン・プノヴ村から分離してできた新しい村がサムロン・チェイ村となりました。
村には小学校がなかったため2008年までは多くの子供たちが学校に通っていませんで した。学校に通っていた子供たちも、隣村のサンカエ・ヴィア小学校まで約7kmの道のり を歩いて通わなければならず、雨季になると道が非常に悪くなるので通うことはもちろん、 市場や病院へいくこともできない陸の孤島となっていました。
村の中を通る道にかかる2本の橋が雨季に流されてしまい、自転車では小学校へ通うこ
とが難しい状況でした。
小学校の問題は2名の先生たちが村に通うことができなくなり、授業ができなくなったり、
道を歩くにも時間がかかりました。